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建築基準法改正のきっかけとなった姉歯事件とは!!

 

●「姉歯事件」の概要

姉歯事件とは、2005年11月17日に国土交通省が千葉県にある建築設計事務所の姉歯秀次一級建築士の構造計算書を、偽造していたことを公表したことに始まる一連の事件を指します。様々なニュース番組でも扱われた大変大きな事件でした。

高層ビルを建てるとなると耐震設計は必須となります。1981年に建築法改正が行われ、建物は震度5に耐えるように設計されることになっていました。ところが、外見からは基準値を満たしているかどうかわかりません。設計の段階で、国土交通大臣認定構造計算ソフトウェアの計算結果から、ビルの構造が震度に耐えられるかどうかを判断します。姉歯事件は、この計算結果の偽装を繰り返し、ビルを建築して売っていたということです。

当時も検査はありましたが、行政や民間の指定確認検査機関は、提出された構造計算書の偽装改ざんを見抜くことができませんでした。その結果、建築が承認されてしまい、これが大問題となりました。もちろんその後、行政から承認された建物は建てられました。

また姉歯事件は別名「構造計画書偽造問題」「耐震偽装問題」ともいわれます。

 

 

 

●耐震偽装問題の恐ろしさ

日本では、建築基準法がとても重要です。なぜなら日本は世界で4番目に地震が多い国だからです。

熊本地震があった2016年には約6,500回、東日本大震災があった2011年にはなんと約10,000回もの地震が発生していました。他の年においても平均して約2,000回も毎年地震が起こっています。そんな日本だからこそ、特にビルであるマンションやホテルなどは、耐震基準を厳守して建てられているかどうかが重要です。

姉歯事件は、犯人の姉歯秀次一級建築士が国土交通大臣認定構造計算ソフトウェアの計算結果を改ざんしたことが事件の根幹にあります。

 

 

 

●事件のタイミングも最悪?

2000年以前、「手抜き工事」という言葉が住宅や高層マンションなどに対して使われるようになりました。阪神大震災の被害にも影響しているはずとの考えから、1998年4月に建築基準法改正案が可決され、これにより手薄になっていた行政による検査が、その後は民間機関に解放された検査体制になりました。

しかし、その後も名義貸しの横行などが続いた事から“行政が責任を持って行うべき”との考えと”基準値に適合しているかどうかを技術的に検査するだけだから、民間に任せることでサービスが向上する“との考えが衝突しました。

その中での姉歯事件発覚だったので、マンション購入者をはじめビルのオーナーが「自分が所有している物は大丈夫か」と不安に陥りました。

さらに、ネットに多くの情報が流出しその中には真実とは異なる内容の情報もありましたが、ネット情報がマスコミに先行して姉歯事件の情報が流れたことが、高層ビルオーナーやマンション住人たちへの不安をさらにあおることになりました。

 

 

 

●法改正で安心安全な建物へ

2007年6月20日に建築基準法が改正されました。法改正されたのは、建築基準値を満たしているかどうかの確認手続きを厳格にするというものです。法改正された後は、姉歯事件前まで使われていたソフトが新しくなり、簡単には耐震偽装工作ができないように強化されました。

また、建築士法についても新しい制度が創設されるなど、法改正されています。それは「設備設計1級建築士制度」と「構造設計1級建築士制度」の2つです。高い建物の設計は設備設計1級建築士の資格保持者が設計するか、保持者に確認してもらう義務が新たに加わりました。さらに、大きな建物については構造設計1級建築士の資格保持者が設計するか、資格保持者に適応性の確認をすることが義務付けられました。

こうした法改正によって耐震偽装は簡単にはできなくなりました。

 

 

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